2 任意後見制度
(3)任意後見契約
| Q. | 任意後見人に弁護士を選ぶ場合とそうでない場合で、任意後見契約に違いが生じることがありますか |
| A |
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任意後見契約は委任契約の一種で、本人が委任者として将来任意後見人になる人(受任者)との間で委任する事項を定め、受任者に代理権を付与する契約です。
委任する事項は、代理権を付与して契約等の法律行為を行ってもらうための事務に限られますが、任意後見人が弁護士である場合には、委任した事務に関して生じる訴訟についても委任することができます。
たとえば、任意後見契約に不動産の管理・処分、遺産分割などがあった場合、それに関して生じる第三者や親族との紛争について、任意後見人が訴訟を含めて対応することが可能になります。また、任意後見の場合にかかわらず、一般に弁護士等に訴訟を委任する場合は、訴訟代理人による代理権濫用の防止や事後的に訴訟が無効になることを防止するために、訴訟代理権の範囲を明確にすることが必要ですが、任意後見の場合は家庭裁判所や後見監督人がいるので、訴訟代理権が任意後見人に濫用されるおそれが低いといえます。そして、任意後見契約において「前記各事項に関して生ずる紛争についての訴訟行為の一切」などと規定しておけば、あえて事件や訴訟の対象を特定する必要はありません。
これに対し、弁護士以外の人が任意後見人になる場合は、原則として(その任意後見人が法務大臣に認定をうけた司法書士であれば簡易裁判所において管轄する事項については訴訟を行うことができますが)、訴訟代理人となることはできません。この場合は、訴訟については別途弁護士に委任することが必要になります。