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第3 任意後見制度

3 任意後見契約
(2) 任意後見契約で委任できること

(イ) 事実行為について
任意後見契約は、法的には任意後見人に代理権を与えるものとして構成されています。つまり代理権ですから、任意後見人が代理人として取引の相手方と契約を結ぶと、その効果が本人について生じます。このように、代理権は契約といった「法律行為」を代わりにしてもらうものであり、任意後見人が直接に本人の介護をするなどといった「事実行為」をしてもらうための制度ではありません。このように、任意後見契約では、任意後見人が介護などの事実行為をしてもらうようにすることはできません。もっとも、誰でもいいので介護をしてもらいたいということであれば、介護業者と介護契約を結ぶことを任意後見人に委任することはもちろんできます。ところで、任意後見人自身に介護をしてもらいたいのであれば、「介護(業務)をする」内容の契約を結べばよいことになりますが、この契約は任意後見制度とは別の契約(事実行為の委任を内容とする、民法上の準委任契約(656条))となります。
(ロ) 身上行為について
認知症の高齢者や障害者といった本人を保護するためには、財産行為を委任するだけでなく、介護契約や医療契約など、身上に関係する契約を結んでもらうことも必要な場面が多いでしょう。そこで、法律上も、身上に関する行為が任意後見契約の委任の対象であることが明らかにされています(任意後見法2条1号)。